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世界観

―少数人類のディストピア

 本作では、架空の理論で動くバイオコンピュータ、PANDORAによって人口が激減した世界を描いています。悪夢の12日間のうちに、地上は死体で埋め尽くされ、数多くの文明が消えていきました。パークスの提案した新世界は、世界を3大国に分け、人口の少ない状態を維持するといったものでした。この新世界では幸福水準が著しく上昇していますが、これは人口激減により資源を奪い合う必要がなくなったためです。貧富の差はあれど、貧困層はパークスから十分に支援を受けることができます。PANDORAがランダムに選出した翼腕症患者は、まさに社会から見捨てられた人々。彼らはグロリアの退屈凌ぎの玩具であり、このディストピアを成立させるため、犠牲になっているわけです。鳥籠の内情や魔法の存在が社会に新世界に漏洩しないよう、患者は死んでも鳥籠の外に出ることができません。なお作中では1872年間が経過していますが、人口が激減した世界ですから、文明の発展は牛歩です。

―PANDORAの解剖

 生物兵器PANDORAは、二人の天才パークスとオスカーが作った、人間の能力を遥かに凌駕した人工知能です。カラスの生首が使われています。PANDORAは人間には理解できないメソッドで人間の感情を体系づけ、死の間際の強い感情から奇跡を起こす技術まで生み出しました。

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